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株式会社 太郎庵 ・目黒 徳幸さん

地域の人インタビュー

会津の人ならほとんど誰もが知っているお菓子のお店・太郎庵(たろうあん)。
お店には「会津の天神さま」「会津チーズまんじゅうQuichee’s」など会津では定番と言えるお菓子のほか、アイデアに富んだ新製品も並んでいます。
今回は、会津で確固たる地位を築く太郎庵の2代目(予定)・目黒徳幸さんにお話を伺いました。

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―――――普段はどのような業務を担当されているのでしょうか?

そうですね、facebookに写真をアップするのといいねを押すこと、あとtwitterで「太郎庵」って検索して、感想書いてくれてる人に返信することかな。

―――――マジメにお願いします(笑)

すみません、冗談は顔だけにします^_^
まあ、主には「経営企画」ですね。現社長はうちの尊敬する父なんですけども、いわゆる社長のブレーンになって意思決定を補助する役割です。
あれもこれもやるってのは無理なので、優先順位をつけて取捨選択する。そういう選択の積み重ねで今があるわけなので、意思決定っていうのはすごく大事なんです。
あとは「ネタ開発」も主な仕事の1つですね。

お菓子作りはネタ作り

―――――「商品開発」ではなく「ネタ開発」なんですか?

僕いつも「お菓子作りはネタ作り」って言ってるんです。
要は価値観の話なんですけども、モノって「価値」があるから売れるわけですよね。
じゃあお菓子の価値は何かという話で、甘いから食べるの?と言われると、それだけではないと思うんです

お菓子というツールを通して生まれる「おいしいね」と言い合うコミュニケーション。そして「どんなふうに作られたのか」「どんなところで買ってきたのか」というストーリー。これらが、お菓子に対する付加価値だと思ってます。
だから、お客さんがお店に来た時にニュースになる、思わず人に伝えたくなるような商品や人、ディスプレイを作っていきたい
そういう意味でお菓子作りっていうのは「ネタ作り」だと言っているわけです。

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―――――なるほど。ネタ開発は普段どのようにされているんでしょうか?

インスピレーションですね(笑)
商品のアイデアが浮かんだら、だいたいの作り方からパッケージまで一気にイメージして作っちゃいます。
この間も業者さんと打ち合わせをしててアイデアが浮かんだので、打ち合わせ中にその場でデッサンして写メ撮って、すぐに作ってもらいました

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―――――そこまで一気にイメージできるのはすごいですね。

うちのCM知ってますか?あれ、作詞作曲、振り付け、オーディション、絵コンテ全部僕なんですよ(笑)
これもインスピレーションなんです。リズムが頭の中にあったので、絵コンテ作って歌詞をつけて。振り付けは「マツケンマハラジャ」からヒントをもらって。
最後に「TRA4〜8人総選挙(太郎庵4から8人総選挙)」って銘打って募集してオーディションをやりました。200人くらい応募があったかな。それであのCMができ上がったわけですね。

【目黒さんのインスピレーションから生み出される独特のリズムは、太郎庵のWebサイトでチェック!】
http://www.taroan.co.jp/info/cm.html

―――――もうわりと何でもアリですね(笑)

そうなんですけどこれは根拠があって、僕は「お菓子屋さんって何でもできるんだよ」ってことを伝えたかったんです。作詞作曲振り付け絵コンテ、ディレクターだってできるしデザイナーにもなれる。接客もできるし商品企画も作っていい。
そういうことを伝えたかったので、まず自分が実験台になったんです。自分がやったこと、実践したことじゃないと人にはなかなか伝えられないんですよね。

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例えばこの間、ベトナムに本物のカカオの実を見に行ったんですよ。
本とかで見ると、カカオはライチみたいな香りがあってフルーツみたいだとか書いてあるんですけど、それだけだと「へー」って感じで、人に伝えられないんですよ。自分が食ってないから。

それで実際に行ってみたら・・・チョコレートって発酵食品で、お酒と似てたんですよね
カカオの種を収穫して、それをその国その土地の微生物でアルコール発酵させて。それを乾燥させた後に細かくしてチョコレートになるんですよ。あと砂糖足して。
あ、そうか、産地によって香りと味が違うのは、発酵によって違うんだな。酒蔵も蔵元それぞれに菌があるけど、それと同じなんだなということがそこで初めてはっきりと分かったんです。
こういうことって実際に体験することでよく分かって、人に伝えられるようになるんですよね

お菓子を通じて自分を、人を輝かせたい

―――――お菓子を起点にしていろんな体験や実践が広がっている感じですね。これらを積み重ねていくことで、目黒さん自身は最終的にはどんなところを目指していくのでしょうか?

僕は人気者になりたいんですよ。将来の夢聞かれたら、マジメに「人気者」って答えてます。(笑)
だって自分が輝いてないと、自分の周りの人たちも輝かないでしょう。人を輝かせるには、まず自分が輝かなくちゃいけないんです。
だからお菓子を通して、自分が輝くことをしていきたい。その姿を見て、子どもたちが「え、おっさんになっても人気者目指していいんだ!」って考えてくれるといいですね(笑)

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―――――それはものすごく夢のあるお菓子屋さんですね(笑) では最後に、会社の方向性として今後目指していくのはどこでしょうか?

まだまだ僕は勉強不足ですが、目指してることがあるんです。
そうですね、うちにも社員さんがいるわけですけど、その子どもたちが「お父さんかっこいいね」「お母さんかっこいいね」と思って、将来お父さんお母さんみたいになりたいって言ってもらえるような社員さんがいっぱい増える会社。それしかないですよ。
お菓子を通して、憧れられる大人が集う場所。
ビジネスモデルじゃないけど、ファミリーモデルというか。一人一人が輝いて、子どもたちが憧れられるようにしたいですね。

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【取材後記】
終始冗談を交えながら軽快にお話しくださった目黒さんでしたが、言葉の端々からは経営者としての知見や情熱がひしひしと感じ取れました。
まずは東北一のお菓子屋さん、東北一の人気者を目指して、目黒さんは日夜インスピレーションを働かせ続けます。

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【名称】
株式会社 太郎庵

【所在地】
〒969-6515
福島県河沼郡会津坂下町字福原前4108-1

【ホームページURL】
http://www.taroan.co.jp/